たまごのかけら

広く、深くを目指す雑食系ブログ

『高慢と偏見』をついに読了!

タイトルの通り。
こんな本を読んでみました。
 

 

f:id:seventyeight:20161028181242j:plain

 
 
 
この表紙を見て小説だとわかってくれた友人がいたためしがないのですが、れっきとした小説、それもイギリスの有名な古典文学の一つです。
 
原題はPride and Prejudice、邦題に『自負と偏見』なんてのもあります。
作者はジェーン・オースティン、女性作家です。英文学をかじったことのある人なら絶対知っているはず。
知らない人も、シェイクスピアの名を聞いたことがあるならオースティンも聞いたことがあってほしい、と勝手に思ってます笑
かくいうわたしも、英文科なるところに所属していながら、こういった英文学には一切興味を持てずにいたのですが。
 
(ちなみに完全な「英文科」ではないので文学をやらずに他の分野で卒論書いて卒業することももちろん可能です)
 
 
 
映画にもなっていて、わたしは授業で映画を見たのがきっかけで、この本にどハマりしました。
 
その映画のタイトルでは「プライドと偏見」と題されていますね。
 
これはほんとおすすめ!原作とは違うところも多々ありますが、だいたいの流れをつかんでストーリーを楽しむには最適。音楽もきれいだし、何度でも見たくなる作品です。初めて見たときも、画面に食い入るように見入ってました。なおわたしはすでにツタヤで借りて3回見ました!!
 
 
url.jpg
 
 
 
 
ジェーン・オースティンの作品はどれもハッピーエンドになっている(らしい)し、あらかじめストーリーがわかっていたほうが本にもとっつきやすいと思うので、ここではネタバレは気にしないことにします。
 
 
 

まずどういう小説なの?

 
恋愛小説です。
こんな堅そうなタイトルなのに。
 
物語の舞台は18世紀末のイギリスの片田舎。中流家庭であるベネット家の5人の娘が登場します。
中でも中心になるのは長女のジェインと、次女エリザベス。この2人はまともなのですが、母親と妹たちはあまりに品がなく、母親のベネット夫人は娘たちに良縁を見つけることしか頭にありません。かろうじて良識のある父親も、事なかれ主義。娘たちを野放図に育て上げました笑。
そんな家族に辟易する上の娘2人の、恋愛事情が事細かに描かれています。
 
彼女らの家の近所に、ビングリーというお金持ちの青年が引っ越してきたところから、物語は始まります。
 
好青年のビングリーとは対照的に、彼の親友ダーシーは陰気そうな印象。
 
ジェインとビングリー、エリザベスとダーシーという組み合わせで、様々なすれ違いや身分が違う苦労などを経て、次第にお互いの距離を縮めてゆくのです。
 
なぜこのタイトルなのか、それは読んでみればわかります。もしくはあらすじ検索すれば一発で出てくるでしょうが。
 
ハッピーエンドなのであとは言わずもがな。
 
 
 

見どころ

 
この本の特徴としては、平凡な家庭生活を舞台としながらも、かなり変化に富んだ恋愛物語を織りなしているというところ。登場人物の描写がとてもわかりやすいです。
 
 
この本で一番すごいなあと思ったのが(ここが一番書きたかった)、クライマックスのあたり。長女ジェインと次女エリザベスが二人とも立て続けに婚約を結ぶ場面。
 
実はこの辺り、結婚とか婚約とかいう「それらしい」言葉を一切使わずに、二人の婚約が表現されているんです。
 
陳腐なプロポーズの台詞に頼ることなく、一見どこがその「決定的な瞬間」なのかわからないほど、緻密に描写されていました。
わたしみたいな大ちゃく者が途中でちょっとハッピーエンドの結末を先読みしようにも、「決定的な瞬間」がすぐに目に入ってこないので、たやすくネタバレすることもありません笑
 
 
ただ、登場人物の分かりやすい台詞ではなく、客観的な言葉だったり長ったらしい重苦しい台詞の数々で物語の重要な場面が細々と(延々と)語られるため、気楽に読みたい人には結構重たいのかなあと。でも、安直な台詞だけで済まされる恋愛物語ではないからこそ、厚みのある読み応え満載の一冊だと思うのです。
 
 
わたしが映画から入ったせいかもしれませんが、ストーリーの流れや人物像があらかじめつかめていると、多少難解な文章もそこまで苦にならず読めると思います。
 
 
実際、最後のほうはオチも分かっていたし、文体にも慣れてきていたので、ページをめくる手が止まりませんでした。続きが気になって気になって。
7月頃に初めて手にとって、途中で挫折しかけたとは思えない勢いで、読みきりました。
 
 

読み終えてみて

 

 英文学なんて興味なかったのに…一冊全部読み切るなんて…!!と感無量であります笑
 
オースティンの他の作品も読んでみたくなりました。『分別と多感』とか『エマ』とか。
もちろん映画や日本語の本で慣れたあとは、原書も読みたい!!相当大変だろうけど。
 
それと、これを違う人の訳で読みたいとも思う。
日本語が直訳すぎるというか、原文を読んでいないからわからないけれど、もっと自然な日本語にしたいなあとか思ってしまうんです。
今までにも何冊か借りて冒頭だけ比べてみて、これは!!という訳に出会ったことがありません。時代が古いから、どうしても会話の口調とかは馴染まないってのもあるんだろうけどね。
 
 
 
一気にジェーン・オースティンのファンになってしまって、イギリスにあるHouse Museumにも行きたくなってしまったり。

www.jane-austens-house-museum.org.uk

 

挙げ句の果てに、今まで眼中にもなかった英文学のゼミもいいかなとか思い始める始末。

 

…って

ゼミガイダンスもうすぐなんだけ

ど!!!

決めらんないんだけ

ど!!!

どうすんだこ

れ!!

 

以上、ジェーン・オースティン=フィーバーでした!!ぜひ本やら映画やら見てみてね!!